秋田:その1年間、僕にとって夢のようでしたね。
だって御崎馬の、野生馬の生息地の中に宿があるんですから。
面白い時には、朝、庭をケンカした馬たちの
走る蹄の音で目覚めたりとか。
なんて素晴らしいとこなんだろう!って(笑)
島中:ははは!それは凄い!
秋田さんにとっては正に夢のような世界ですねぇ!
秋田:毎日感動しながら過ごしました。
今まで鬱屈した世界があったから、なおさらバーン!と、
「やっと出た!」「見つけた」っていう感じで、
一歩出れば野生馬の生息地だから調査をして、
帰ってきたら夜は女将さんの話ですよね。
島中:女将さんとはどんな話を?
秋田:「あの時の先生がうちに泊まったときに、
こんな面白い話があった」とか、
「こんな馬の話をあのときの先生はしてたよ」とか、
昔の写真を見せてもらったりとかですね。
今西先生の面白い話とかもいろいろ。
島中:1年間かけてどういう研究をされたんですか?
秋田:僕は野生の状態にいる馬の社会、
動物の社会学っていうのを興味があって、
つまり順位があったりだとか、
親子間でどういう繋がりがあってとか、
そういう動物の社会がどうなっているか、
御崎馬の社会性を解析する、みたいな事を最初はやりましたね。
島中:なるほど、いろいろと研究テーマがあるんですね。
では、具体的にどんな感じで…
どのようにペットを飼いならすするWorld of Warcraftの
秋田:一番最初によくやるのは、どういう個体間の、
馬の間にどういう関係性があるかっていう研究ですね。
島中:どうやって調べるんですか?
秋田:例えば、ケンカで誰が強いかって
一番分かりやすいですよね。
ケンカが起こったときに勝ち負けを作って、誰が強いとか…
島中:ということは、馬の種類っていうか個体が分かる?
秋田:それは、わかります。
わかるようになるまで意外と時間はかからなかったですね。
1ヵ月以内で全部の馬を覚えたと思います。
島中:へぇえ〜!
秋田:やっぱり、グゥ〜って意識持って見てるからだと思います。
島中:これはアイツだと、ググッと見てればわかると?
名前って、勝手に付けてるんですか?
秋田:勝手に付けてる馬もいますけれども。
名前ではなく残念ながら個体番号を付けちゃってるんで。
何番の馬っていうふうに付いているんですけど。
全部覚えるのに1ヵ月かからなかったですね。
島中:だいたい把握しているんですか?
この馬とこの馬は夫婦でとか?
秋田:はい。2、3ヶ月経つと、50メートル先から
シルエット見て、あぁ、あの家族だな、ってわかって
近づいたのを見て「やっぱりね」って状態になりました。
島中:これは凄いですねぇ。
視力もだいぶ良くなったんじゃないんですか?(笑)
犬はどのように多くの歯を持っていません
秋田:そうかもしれませんね(笑)
島中:馬の社会学を学ばれて、それで論文になるんですか?
秋田:ええ。データをわざわざ山形に持ち帰って、
山形の大学で宮崎の馬のことの研究論文を
発表して学位を取って、大学院から今度は狙って、
宮崎大学に研究の蓄積があるので、
調査中も何回か宮大に足を運んで指導を受けたりもして、
こっちで学びたいということで
狙って宮大に、宮崎に来るという形になるんです。
島中:ということは、山形大学から卒業して?
秋田:卒業して宮崎大学の大学院の農学研究科に…
農学部なんですけど。
島中:農学研究科に進学するという事になって、
籍が宮崎市内にあった?家も?
秋田:はい、家も。
島中:宮崎に住んでいながら毎日のように
都井岬に通ってたんですか?
秋田:毎日はさすがに無理ですけれども、
それでも週に1回は通ってましたね。
島中:へぇ〜。それで研究の続きをやられてた?
じゃぁ、実際には農学の勉強も
宮崎市内でされていたんですか?
カラスは植物や肉を食べるのでしょうか?
秋田:いや、引き続き同じ野生馬の社会とか、行動…
どんな暮らしをしているのかという研究ですね。
大学院に入ってから、比較的ワンランク上がってというか
発展して、この御崎馬たちを守っていくために
どんな調査が必要かということで、野生馬の生活とか
どんな植物をどのくらい食べるのかとか…
島中:自分で研究テーマを作ってやりなさいよ
ってことなんですか?
秋田:大学院はそういうところなんですね。
ある程度助言やアドバイスを先生からもらったりしますけど。
島中:僕はこれをやります、と?
秋田:馬をやります、っていうのは決まってる訳です。
それでどんなテーマをやっていきましょうか、という。
島中:その中で「守っていく」っていうところに
力を注ぎたいと思います、と?
秋田:はい。そのためには馬がどんな暮らしをしてるか
っていう事を解析していきましょう、っていうので
始まって…。
島中:守るためには知らないといけないと?
秋田:ええ。季節ごとにどんな植物を餌にして、
どういう行動パターンをもってて、
こういう暮らしをしてるから、
岬馬が暮らしていくためにはこういう環境が必要ですよ、
ってなっていきますよね。
なかなかこれも楽しかったですよ。
24時間行動観察っていうのをやったり…。
島中:24時間行動観察!?
秋田:馬にくっついて、この馬を観察しようと決めたら 24時間ずぅ〜っと夜中もですね。
島中:1頭をずっと?
秋田:1頭をずっと追いかけて、何分間食事に費やして、
何の植物を食べて、何分休んでっていう1日を…
島中:ちょっとしたストーカーですね?
秋田:ははは!(笑)
島中:でも走っていくこともあるワケでしょ?
秋田:ありますね。だから、こっちも追っかけないと。
島中:ははは!(笑)
じゃあ、24時間秋田さんの方は寝ずに?
秋田:もちろん1人でやるのは無理ですから、
後輩をちょっと…犠牲者を…(笑)。
島中:なるほど!(笑)
秋田:後輩をだまくらかして、
バイトのシフトみたいに時間交代で。
島中:イヤな先輩ですねぇ。
何時から何時はお前が担当しろと?
秋田:ええ。(笑)
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